職場の熱中症対策と「暑さ指数(WBGT)」の活用

「作業に集中していて、水分補給を忘れていた…」「今日はいつもより、しんどいな…」

職場での熱中症は、こうした少しの気の緩みや環境の変化がきっかけで起こります。
特に以下の環境では、十分な注意が必要です。

  • 屋外での長時間作業
  • 高温多湿な作業場
  • 空調が不十分な密閉空間

これらの現場では「水分がとりにくい」「休憩がとれない」といった条件が重なり、リスクが高まります。
職場では、「お互いに声をかけ合う」「暑さ対策を共有する」が、熱中症を防ぐ第一歩です。

暑さ指数(WBGT)とは?

熱中症対策として、「暑さ指数(WBGT)」の活用が注目されています。

WBGTは、気温・風速・湿度・輻射熱(太陽の照り返しなど)を総合的に反映した「暑さによる身体への負荷」を示す指標です1)。
たとえば、気温がそれほど高くなくても湿度が高ければ、WBGTは上昇し、熱中症リスクは大きくなります。
この指標は、実際の「体感」に近いことから、気温そのものよりも熱中症の予防に役立つとされています。

屋外活動や職場でのWBGTの取り入れ方

スポーツや屋外作業の現場では、WBGT値をもとに「こまめに休憩を取る」「水分・塩分を定期的に補給する」といった対策が推奨されています2)。
また、職場でも作業開始前にWBGTを確認し、「今日は特に注意が必要」と共通の認識を持つことで、事故の予防に役立ちます。

熱中症を防ぐことは、日々の体調管理の延長です。

あなた自身と、ともに働く仲間の安全を守るために、できることから始めましょう。

【参考】
1) 厚生労働省 令和6年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58389.html(2025年9月13日アクセス可能)

2) 厚生労働省. 熱中症ガイド.
https://www.mhlw.go.jp/content/001103539.pdf(2025年9月13日アクセス可能)